ダイソーで十分?遺言の代わりになる?プロが勧めるエンディングノートの書き方について
こんにちは!金沢市の不動産会社アシストの前田専務です。今日は最近ホットなテーマ、「エンディングノート」についてお話ししたいと思います。
このノートは人生の最終段階に備えて自分の大切な思いや願いをまとめておくものでいわゆる「終活」の一部となります。
目次
エンディングノートって何?
エンディングノートは、自分がこの世を去った後のことを考えて、自分の意志や希望を記録しておくノートです。どんな葬儀を希望するか、遺産はどう分けるか、大切な書類はどこにあるか、オンラインアカウントのパスワードは?など、家族が後で困らないようにと考えられたものです。
不動産を持ってるとなおさら重要!
不動産をお持ちの方にとっては、エンディングノートがもっとも重要な役割を果たします。不動産は価値が高く、手続きも複雑。事前にしっかり計画をしておけば、家族にとって大きな助けになるんです。
1. 不動産の詳細はしっかりと
エンディングノートには、自分が持っている不動産の詳細をばっちり書いておきましょう。住所や面積はもちろん、登記情報、建物の状態、固定資産税の額、ローンが残っているかどうかなど、不動産に関する全情報を詳しく記録しておくことが大事です。
2. 不動産の未来についても指示を
「この家は○○で住んでほしい」、「売って代金をこう分配して欲しい」といった、自分の不動産に対する将来の希望もエンディングノートに書いておきましょう。御本人の希望や意思が示されているだけでも、残された家族間での対立を避けられることもあります。
3. ローンや保険の情報も忘れずに
もし不動産購入のローンが残っている場合は、その残高と支払い計画、保険がどうなっているかも記載しておきましょう。ご家族が実際に不動産の処分に向けて動き出すときに、思わぬ失敗を避ける手伝いになります。
エンディングノートの書き方のコツ
エンディングノートを作るのは、意外と簡単。市販の専用ノートを使ってもいいし、自分で作ることもできます。大事なのは、情報を整理して家族が読みやすいようにすること、そして、情報が変わったら定期的に更新することです。また、このノートは家族がすぐに見られる場所に保管しましょう。
話題のダイソーのエンディングノート買ってみた
エンディングノートには決まったフォーマットはありませんが、市販されているものもあります。
実は、100円均一のダイソーでもエンディングノートが販売されています。価格はもちろん100円。
ダイソーのエンディングノートは一言でいうと情報量過多。
開いてみると100円なのにかなりのボリュームがあり、なんと100ページ近くもありました。
内容は銀行口座やお墓、友人やペットのことまで多種多様。必要かもしれないものはすべて網羅しています、という内容になっています。
しかし、その割には大事な財産についてのページ数が少なかったりします。特に相続において一番処分に労力を要するはずの不動産に関するページは1ページしかなく、これでは不動産を適切に処分するのに十分とは言えません。
まとめると、ダイソーのエンディングノートは幅広い分野の情報を1冊で書くのには向いていますが資産の処分をこれだけで完結させることは難しく、こと不動産の情報を書き残すには別途で書類を用意する必要がありそうです。
こんなのほしかった!弊社でエンディングノートを作成しました
この度アシストでもお客様の財産処分の助けになるよう、エンディングノートを作成しました!
弊社で作成したエンディングノートでは、
- 預金残高を記載する必要はありません。
- 有価証券を持っていても、銘柄をひとつずつ書く必要はありません。
なぜなら、預金残高も毎月変わりますし、有価証券も日々価格が変動するからです。
なので、どこの銀行に口座があるのか、有価証券はどこの証券会社から買っていて担当者は誰なのか、を書いて頂く形式になっています。そして、書き出してみて使っていない銀行口座があれば解約していきましょう。年間1~2回しか使わないクレジットカードも同様です。
又、ペットを飼っていらっしゃる場合は、そのペットはどうして欲しいか、グルコサミンや青汁を飲んでいる場合は会社名がどこか、お墓はどうしたいか・・・といった事を書ける内容になっています。
記載する項目と共に、注意点や考え方も記載しております。
“書き方が分からない”といったお悩みや、書いている中で“どうやって考えれば良いのだろう”と疑問に思った場合には弊社スタッフがお手伝いさせて頂きますのでお気軽にご連絡下さい。
エンディングノートは遺言の代わりになるの?
エンディングノートは遺言書とよく比較されますが、法的な効力に大きな違いがあります。遺言書は、法律で定められた形式に従って作成する必要があり、その内容は法的に守られ、遺産分割などの際に厳格に適用されます。一方、エンディングノートはもっと自由な形で書ける文書で、あくまで家族への指針を示すものです。
エンディングノートでは、自分の望む葬儀の形式や、大切な思い出の品の行方、個人的なメッセージなどを伝えることができます。しかし、不動産や預金といった財産の具体的な分配に関しては、遺言書に記載されていない限り、法的な強制力はありません。
ですのでエンディングノートを遺言の代わりとして用いることはできますが、法的な保証は得られないという点を理解しておく必要があります。財産分配など重要な事項については、遺言書を別途用意することをお勧めします。エンディングノートと遺言書を併用することで、自分の意志を家族により明確に伝え、スムーズに事を進めてもらうための最善の方法と言えるでしょう。
エンディングノートは、不動産を含む財産管理にとって非常に有効なツールとなります。
不動産をお持ちの方は、ぜひ作成を考えてみてください。困ったときには、いつでも当社に相諤してくださいね。家族がスムーズに事を進められるように、最適なアドバイスを提供します。