コロナ禍と“ウッドショック”が住宅業界に及ぼす影響を予想してみた(2021年版)

こんにちは!株式会社アシスト専務の前田です!

今回は巷で噂になっている住宅業界の危機「ウッドショック」が住宅業界に及ぼす影響についてです。

徐々に各種メディアやSNSでも取り上げられるようになってきましたウッドショック。もうご存知でしょうか。

住宅業界では1ヶ月ほど前からジワジワと話題になってきました。一体何が“ショック”なのでしょうか。

家が建てられない?!“ウッドショック“とは

ウッドショックとはコロナ禍が引き金となって引き起こされた世界的な木材不足のことです。日本では建築木材の多くを国外からの輸入品に頼っていますがそれが日本に入って来なくて不足するという事態が起こっています。

昨年の同じ時期にはトイレなどの設備関係が不足して同じく住宅の工期が大幅に遅れる事態が起きました。

トイレ不足問題は数ヶ月で解消しましたが、今回の木材不足はもう少し長引くかもしれない、との見方が強まっています。

なぜウッドショックが起きるのか

引き金となっているのはコロナウイルス感染拡大による世界的な住宅需要の増加です。コロナ禍の影響で「都会を離れて郊外で住宅を建てる」という需要が各国で飛躍的に増加しました。この動きはアメリカを中心で世界各国で起きており、世界的に木材が不足する事態となりました。

また同じくコロナ禍の影響で物流が規制されたり一部で需要が急増したりしたことで、運送業界の人手不足が起きたり、運送に使うコンテナが不足してきたことも木材が行き渡らない一因となっています。

一番たくさんの木材を使う住宅業界では「木が足りない」「家が建てられなくなるぞ」と、実はけっこう騒然となっているのです。

木はある!でも日本は買えない!

そもそも、木がたくさんあるはずの日本がそんなにも木材不足に陥ってしまうのでしょうか。それは日本は木材の多くを輸入に頼っているからです。

日本は国土の70%が森林というスーパー森林大国であるにも関わらず、海外の木材の方が安く調達できるので住宅においても多くの工務店は輸入木材を使います

それが今、世界的に木材の需要が増えたので各国で木材の取り合いが始まりました。米マツなど日本でもポピュラーに使われるアメリカ産の木材はアメリカ国内での消費に優先して回され、他の海外産木材も多くは競争力の強い中国が買い占めてしまっている状態です。

これまで安価な値段で買えるとたかをくくっていた日本は思うように木材を確保できません。それで建材用の木材が深刻に不足する事態となりました。

今どんな影響が出ている??

この事態により、多くのハウスメーカーや工務店さんが木材の卸業者から今まで通り仕入れができない状況になってきています。当社で付き合いのある工務店さんでも、木材の卸値が昨年と比べて1.3倍ほど高騰しているとの声を聞きます。また価格が上がっただけでなく確保も難しくなってきているようで「5月以降に発注されるものは工期が保証できなくなるかも」という懸念もあるようです。

施主さんへの影響としても、

①建築費の値上げ②納期の遅れが予想されます。

しばらくの間は仕入れ値の上昇を利幅を削ることで吸収できるでしょうが、夏以降は各社がエンドユーザーの発注価格の値上げに踏み切る恐れがあると思います。

※(令和3年5月10日追記)すでに建築メーカーによっては今後受注を受けるものについては単価を上げるという情報もあります※

また納期遅れは今後発注するものは高確率で起こると思われます。そしてこればっかりは工務店を責めてもしょうがないので待つしかない状況が続くでしょう。代わりに材木の種類変更を迫られると言うことも考えられますね。

いつまで続く?

今回のウッドショックの怖いところは、今のところいつまで続くのか、終息の見通しが立たないことです。

日本は森林大国なので国産の木はあるにはあるのですが、もともと多くの木材需要を輸入品で賄っていたため林業に従事する職人や流通ルートなどが少なく、供給力が小さいのが現状です

 

今のところ解消を待つほかないのが現状

記事にしておいて無責任なところではありますが、ウッドショックについては今のところ情報を集めながら静観するしかないのが現状です。

住宅会社や不動産業者の営業マンとしては「早く建てないと建てられなくなりますよ」という営業トークとして利用されそうではあります。

それはそれで間違ってはないのですが、現状、全く建てられなくなるというほど悪い状況でもないので、焦りすぎも禁物と思います。

今回のウッドショックに限らず、お家を建てるタイミングは”その人が必要になる然るべきタイミング”で決めるべきだと思います。


※(2021/06/09追記)6月現在まだまだ解消の見通しが立っておらず、石川でもすでに多くのハウスメーカー・工務店で値上げが決定しています。この記事を最初に書いた5月時点では、どの会社も「競合他社がまだ値上げしていないのでウチも踏ん張る」という構えでしたが、いよいよ値上期に突入しました。※


また工期が遅れることで、住宅ローン控除グリーン住宅ポイント住宅エコポイント等々の制度の締め切りに間に合わなくなるのでは、という声もありますが、これも制度期限が延長される可能性もありますので、やはりこのために焦って決めるのは得策とは言えないと思います。

とはいえ、状況が悪化して本当に建てられなくなる事態に陥る可能性も捨てきれません。

どちらにしても常に新しい情報にアンテナを立てて動向を見守る必要がありそうですね。